男の子の節句に五月人形を用意する際は、人形・鎧(よろい)・兜(かぶと)の3つの中からまずはひとつ選んでいただくことになります。
一番大切なことは、「お子様のお守りとして、末永く飾れるものであること」です。
人形
当店では、無形文化財人形作家、石川潤平・佳正のお人形を取り扱っております。
日本の心を大切にした作家が仕上げた確かな技術で生み出された、かわいらしい表情のお人形の中からお好きなお人形をお選びください。
鎧・兜
鎧や兜となると、有名な武将物は見慣れていると思いますが、きちんとしたものを選ぼうというのであれば、少し、知識を得たいものです。
お節句にふさわしく仕上げられた力石甲人の作品をもとに鎧と兜についてご案内させていただきます。
1. ひと |
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3. 兜の吹き返しの縁に付いた小縁(こべり)は、赤い皮で造られています。赤には、魔除けの意味があります。 |
4. 兜のあごに結んだ紐は、忍緒(しのびお)です。これも魔除けの意味です。 |
5. 兜のしころ部分 吹き返し 草摺り これらの裾に縁取られた菱縫いは、やはり赤で魔除けの意味です。 |
6. 胴の前、おなかの辺りを覆うのは、弦走(つるばしり)といって鹿の皮でできています。 |
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9. 兜の裏の実際に頭に当たる部分には、布に刺し子が施されています。刺し子には、強度を高め、布のしわを伸ばす役割があります。また、鉢との間には少し隙間がありクッション性も備えていたようです。 |
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11. 兜のしころの裏 袖の裏 草摺りの裏 それぞれの裏側をめくって見たところです。 |
12. 兜の一番上を真上から見たところです。神が宿るところといわれていました。 |
13. 24金鍍金鏡面仕上げの鍬形の表面は、お顔が映るくらい鏡のようにクリアです。三層鍍金の金物は、取り付けの際、隙間無くピッタリと収まります。 |
14. 兜吹き返しの裏側にまで、威しがきちんと続いています。節句用の兜の中には、吹き返しが後付けのため、威しは、途中で切れているものも見られます。 |
15. 繰締緒(くりしめのお)は、鎧を腰に結びとめるための紐です。 |
16. 胸の前には、胴正面と背面を引き合わせる高紐の隙間を防ぐ二枚の板があります。心臓側に取り付けられているのが、鳩尾(きゅうび)、で心臓を守ります。鳩の尾に似ているためこの名がつけられました。右側は、栴檀(せんだん)、で矢を射るとき、邪魔にならないように遊びをつけたものです。 |
19. 吹き返しに取り付けられた金具を据紋金物(すえもんかなもの)といいます。こちらは、上から、鏡鋲(かがみびょう)、小刻(こきざみ)、菊座(きくざ)と3つの金物が重ねて取り付けられています。しかも、それぞれ少し湾曲した金具が隙間なく重なりあっています。もちろん、金属の部分は、ビス一本に至るまで手作り、24金鍍金です。 |